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最終更新日:2008/ 6/15(日) 13:33:46

資料「第二次世界大戦における交戦関係の開始日時について」

目次

  1. 書誌情報
  2. 概要
  3. 正誤表・補足情報
  4. 入手・閲覧方法
  5. 全文データ
  6. 参考文献リスト

書誌情報

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概要

1.要旨

本稿の目的は、第2次世界大戦において各国の間に「国際法上の戦争」が成立した日時を、当時、米国務省が刊行してゐたDepartment of State Bulletinの記事・資料を基礎として明かにすることである。

国際法において「戦争」といつた場合に、その意味するところは、われわれが一般に戦争と呼ぶものとは多くの点で異つてゐる。国際法上の戦争は、当事国のいづれかが直接もしくは間接に「交戦の意思(戦意)」を公にすることにより開始され、講和条約の締結などの双方の合意によるか、もしくは一方が他方を征服することで終結する一種の「関係」である。

本稿は大規模な軍事的衝突の発生を不可欠の要素とする、一般にいふところの戦争ではなく、国際法上の戦争(交戦関係)が成立した日付を確認することを目的とするが、宣戦行為なしに開始された大規模な武力行使についても、一部についてはその開始日を明かにすることにした。

構成としては、まづ「基礎的諸概念」として、戦意の表示の諸方式(開戦宣言・交戦状態通告など)と、第2次世界大戦における「連合国」「枢軸国」「中立国」の範疇について説明する。そのあと本論の「交戦関係の成立状況」に入り、連合国陣営に属した諸国を中心として当時の状況を検討する。

「連合国」範疇で検討するのは、次の国々である。

(連合国共同宣言署名国)
アメリカ イギリス オーストラリア カナダ ニュージーランド 南アフリカ インド エルサルバドルオランダ キューバ ギリシャ グアテマラ コスタリカ ソ連 チェコスロバキア 中華民国 ドミニカ共和国 ニカラグア ノルウェー ハイチ パナマ ベルギー ポーランド ホンジュラス ユーゴスラビア ルクセンブルグ

(同宣言加入国)
イラク イラン ウルグアイ エクアドル エジプト エチオピア コロンビア サウジアラビア シリア チリ トルコ パラグアイ フィリピン ブラジル フランス ベネズエラ ペルー ボリビア メキシコ リベリア レバノン

また、戦況の変化により他の枢軸国と交戦関係に入つた「旧枢軸国」についても検討する。ここで取上げるのは次の国々である:イタリア(バドリオ政権) ハンガリー フィンランド ブルガリア ルーマニア。

さらにフランスのヴィシー政権、デンマークとの同君連合を1944年に解消したアイスランド、当時半独立状態にあったモンゴル、そして英米両国の植民地ながら連合国共同宣言に参加したインドとフィリピンについても、「特殊な事情にあった国・地域」として検討した。

このやうに第二次大戦中に行はれた宣戦通告や国交断絶通告の期日を明かにすることで、諸国間に交戦関係がいつ成立したのかをほぼ明確にすることができた。一方、1930年代以降、日独両国の後援により各地に樹立され、両国の降伏と共に崩壊した諸政権と連合諸国との関係については、今回は取上げることができなかつたが、この問題の検討は、別の機会に譲ることにしたい。

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2.目次

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正誤表・補足情報

いまのところ誤記や誤植は見つかつてゐません。なにかお気づきの点がありましたら、ご一報いただけると幸です。

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入手・閲覧方法

次項「全文データ」から、PDFファイルを閲覧・印刷できます。また紙媒体については、各地の図書館(大学図書館・公共図書館)で閲覧できます。下記のリンク先から検索してみてください。

全文データ

本稿は私が、国立国会図書館調査立法考査局における職務の一環として、国会審議の参考に供するために執筆したものです。国立国会図書館の許諾を受けこちらに転載しますが、著作権は同館に帰属します。無断転載・複製による第三者への配布・内容の改変を禁じます。

  1. 画像版 (PDF形式) /原誌をスキャンし、透明テキストつきPDFに変換したもの。再構成版に比べると検索の精度が低くなりますが、引用は必ずこちらに拠つて下さい。
  2. 再構成版(現代仮名遣い・新字体) (PDF形式) /Adobe InDesignCS2で組版し直したもの。全文検索はこちらを使つて下さい。
  3. 再構成版(歴史的仮名遣・旧字体) (PDF形式) /上記の歴史的仮名遣・旧字体版です。

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参考文献リスト

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